第91回日本豚病研究会・2017年度日本豚病臨床研究会・ 平成29年度日本養豚開業獣医師協会 第8回合同集会は終了いたしました。

第91回日本豚病研究会・2017年度日本豚病臨床研究会・平成29年度日本養豚開業獣医師協会第8回合同集会(事務局:日本養豚開業獣医師協会)は平成29年10月13日(金)明治ホールディングス株式会社本社地下一階講堂にて開催いたしました。会員他、皆様のご協力に感謝申し上げます。

第91回日本豚病研究会・2017年度日本豚病臨床研究会・ 平成29年度日本養豚開業獣医師協会 第8回合同集会をお知らせします。

第91回日本豚病研究会・2017年度日本豚病臨床研究会・
平成29年度日本養豚開業獣医師協会
第8回合同集会のお知らせ

事務局:一般社団法人日本養豚開業獣医師協会(JASV)
Tel:046-290-5630
Fax:046-290-5631
E-mail:pig.jasv@r7.dion.ne.jp

日本豚病研究会、日本豚病臨床研究会、日本養豚開業獣医師協会は、第8回合同集会を開催することとなりました。下記の通り、ご案内申し上げます。

日時:2017年10月13日(金) 10:00~17:00(受付 9:15~)
場所:明治ホールディングス株式会社 本社ビル 地下1階講堂
〒104-0031 東京都中央区京橋2丁目4番 16号
Tel:03-3273-3436

日 程

開 会 (10:00~10:10)

メインテーマ「日本養豚と抗菌剤使用」          (10:10~12:10)
座長:呉 克昌(㈱バリューファーム・コンサルティング)

1. 豚における薬剤耐性菌の動向-国内及び海外における取り組み- (10:10~10:40)
農林水産省 動物医薬品検査所 木島まゆみ[豚病研]

2. 養豚場における抗菌剤およびワクチンの使用実態調査 (10:40~11:10)
㈲あかばね動物クリニック 伊藤 貢[JASV]

3. 児湯地域養豚場4件における口蹄疫発生前後の抗生剤使用量調査 (11:10~11:40)
NOSAIみやざき 吉原啓介[豚臨研]

4. 総合討論 (11:40~12:10)

[昼休み(豚病研究会 幹事会)12:10~14:00]

一般口演                        (14:00~16:15)
座長:川嶌健司(農研機構 動物衛生研究部門)

1. PEDウイルスに対する消毒効果に関する研究 (14:00~14:20)
農研機構 動物衛生研究部門 鈴木 亨[豚病研]

2. 茨城県における豚由来病原性大腸菌の薬剤耐性獲得状況:主要血清型O116の解析
(14:20~14:40)
茨城県県北家畜保健衛生所 藤井勇紀[豚病研]

3. 肥育豚の難治性出血性下痢 (14:40~15:00)
㈱沖縄県食肉センター 大城 守[豚臨研]

[休憩 15:00~15:15]
座長:矢原芳博(日清丸紅飼料㈱)

4. 肥育期のAPPの発生要因を抗体検査から読み解けるか (15:15~15:35)
フォーピッグ那須  福山 聡[豚臨研]

5. 第2回OIE・FAO主催アジア豚病ワークショップ参加報告 (15:35~15:55)
㈱バリューファーム・コンサルティング 呉 克昌[JASV]

6. 肥育農場におけるPRRSの清浄化と農場防疫について (15:55~16:15)
㈲サミットベテリナリーサービス 渡部佑悟[JASV]

閉 会 (16:15~16:30)

<お知らせ>
・ 合同集会当日はこの抄録をご持参いただきますようお願いいたします。
・ 合同集会終了後、懇親会を予定しております。ふるってご参加ください。
・ 集会への参加申し込みは不要です。当日直接会場までお越しください。懇親会のみ事前登録が必要となりますので、下記に従ってお申し込みをお願い申し上げます。

<懇親会について>
日時: 2017年10月13日(金) 17:30~19:30
場所: アンジェリオン オ プラザ 東京
東京都中央区京橋3-7-1 相互館110タワー 11階
(合同集会会場のすぐ近くです。)

http://tokyo.anjelion.jp/

会費: 5,500円(会費は当日受付で申し受けます。)
懇親会参加人数把握のため、参加可能な方は、9月29日(金)までに、下記の連絡
先にメールにてご連絡ください。

なお、当日でも人数に余裕があれば、参加をお受けします。
懇親会参加者連絡先:一般社団法人日本養豚開業獣医師協会(JASV)事務局
E-mail:pig.jasv@r7.dion.ne.jp

講演要旨

メインテーマ「日本養豚と抗菌剤使用」

1.豚における薬剤耐性菌の動向 -国内及び海外における取り組み-
農林水産省 動物医薬品検査所 木島まゆみ
2016年4月に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が取りまとめられ、動物分野では、2020年に向けて大腸菌のテトラサイクリンの耐性率を33%以下に低下させることの他、いくつかの成果指標が設定された。現在、これらの目標に向けた取組が進められているが、国内の豚由来細菌における耐性率の推移とともに、諸外国の薬剤耐性対策について、豚肉の輸出国であるデンマークにおける取組みを中心に紹介する。また、豚の細菌性下痢症の治療薬であり、飼料添加物としても指定されているコリスチンについて、今年1月に食品安全委員会による食品健康影響評価が「中等度」とされたことを受けて、農林水産省で実施を予定しているリスク管理措置について紹介する。

2. 養豚場における抗菌剤およびワクチンの使用実態調査
㈲あかばね動物クリニック 伊藤 貢
2016年G7伊勢志摩サミットにおいて薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが策定され、今後この実現に向けた取り組みを進めていかなければならない。AMRの問題は地球規模での対応が必要であり、人、動物、環境を含めたワンヘルスの考えが重要である。農林水産省が公表した平成27年動物用医薬品医薬部外品及び医療機器製造販売高年報によると、抗生物質、合成抗菌剤の原末換算量は計784t、この内豚での使用が503tであり、使用量のシェアが64%に及ぶことが分かる。一般社団法人日本養豚開業獣医師協会(JASV)では設立当初から抗菌剤の適正使用を進めてきた。今回、指示書データを基に農場で使用している抗菌剤及びワクチンについて調査したので報告する。

3. 児湯地域養豚場4軒における口蹄疫発生前後の抗生剤使用量調査
NOSAIみやざき 吉原啓介
児湯地域における養豚農家は2010年4月の口蹄疫後、再開するにあたり豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)陰性の豚を導入するというルールを地域独自に策定し一部の農家を除きPRRS陰性の地域となった。今回、児湯地域4軒の農場において抗生剤の使用量という観点からPRRSフリーの効果を検証してみたところ、発生前と比較して使用量が増加した結果となった。各農場担当獣医師より抗生剤の使用量が増加した要因について聞き取り調査を行ったところ豚サーコウイルス2型(PCV2)をはじめ、浮腫病、豚胸膜肺炎(APP)等の感染症が判明した。本調査ではPRRSの陰性維持だけではなく、他疾病コントロールの重要性が抗生剤の使用量軽減につながるものと考えられた。

一般口演
1. PEDウイルスに対する消毒効果に関する研究
農研機構 動物衛生研究部門 鈴木 亨、大橋誠一
2013年10月から現在に至るまで養豚産業に深刻な被害をもたらしたPEDウイルスであるが、ここまで被害が拡大した理由の一つに、本ウイルスの物理化学的性状に関して不明な点が多かったことが挙げられる。そこで、本研究ではPEDウイルスの物理化学的性状に関する知見を集約するため、実験室内において、PEDウイルスに対する消毒効果の検証を含めた各種不活化試験を実施した。その結果、消毒薬は定められた有効指示濃度に従って適正に用いることが改めて明らかとなった。さらに、消毒薬の有効性を高めるには、初めに有機物をできるだけ除去し、消毒も一度だけではなく、繰り返し実施することが重要であることが明らかとなった。本研究を通じて得られたデータは今後の PED 防疫対策あるいはマニュアルの見直しに積極的に活用していただきたい。

2. 茨城県における豚由来病原性大腸菌の薬剤耐性獲得状況:主要血清型O116の解析
茨城県県北家畜保健衛生所 藤井勇紀
平成18~26年度に茨城県で分離された豚由来病原性大腸菌108株の比較解析を実施した。主なO群血清型はO116 (34.3%)、O139 (11.3%)、O149(9.3%)であった。O116の平均耐性薬剤数は23薬剤中14.9剤で、フルオロキノロン(FQ)系抗菌剤に対しては全株が耐性を示した。パルスフィールドゲル電気泳動解析の結果、O116 の多くは疫学的に近縁ではなく、またO116による豚大腸菌症発生農場における聞き取り調査の結果、FQ系抗菌剤の使用歴との関係は認められなかった。O116は家畜生産の脅威となり得る多剤耐性を示すことから、抗菌剤の慎重使用と衛生管理の徹底に加え、発生農場における疫学調査等も併せて実施する必要がある。

3. 肥育豚の難治性出血性下痢
㈱沖縄県食肉センター 大城 守
当社関連の預託農場では長年肥育期における難治性出血性下痢に悩まされていた。臨床所見ならびに検査成績に基づき、①豚舎消毒の徹底、②使用薬剤の変更、③生菌剤添加、④飼養環境の改善、⑤クランブルからマッシュ飼料への切替、⑥衛生プログラム変更、などを試みたが改善はみられなかった。2017年1月、給餌口の管理不備に着目し、マシンガンフィーダー「不断給餌法」から「時間制限給餌法」に変更したところ、給餌口の残餌状況の改善に伴い短期間のうちに下痢及び出血性下痢が大幅に減少し、豚の活力が向上した。本例の主たる原因は給餌管理不備に起因する消化管粘膜上皮バリア機能低下の可能性が考えられ、適正な飼養管理により易感染状態にしないことの重要性を再認識した。

4. 肥育期のAPPの発生要因を抗体検査から読み解けるか
フォーピッグ那須  福山 聡
体重30㎏以上の肥育期での肺炎による死亡事故は養豚現場で最もよく見られる症例である。肺炎による死亡事故の原因はActinobacillus pleuropneumoniae (APP)によるものが多い。筆者の経験ではAPPの発生要因は必ずしも豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)や季節的要因だけではないように感じる。またAPPに対してワクチンや感受性のある抗生剤を継続的に使用しても顕著な効果が出ないことが多い。今回、ある農場において豚呼吸器病症候群(PRDC)に対する検査を毎月実施することによってAPPの発生要因の糸口がつかめないか探求したのでその途中結果を報告する。

5. 第2回OIE・FAO主催アジア豚病ワークショップ参加報告
㈱バリューファーム・コンサルティング 呉 克昌
2017年6月27日から3日間、北京で開催された第2回アジア豚病ワークショップに一般社団法人日本養豚開業獣医師協会(JASV)を代表して外部スピーカーとして参加した。国際獣疫事務所(OIE)は動物衛生向上を目的とした政府間機関だが、今回のワークショップには日本の動物検疫所と農水省動物衛生課からの2名を含む15カ国21名が参加し、その他OIE・国際連合食糧農業機関(FAO)関係者、主催国中国関係者、外部スピーカーなど合計約50名が参加した。その目的はアジア地域の豚病及び各国対応方法の情報交換を通じ、今後の越境性悪性伝染病や新興病発生時の対応に備えることだったが、アフリカ豚コレラのアジア地域への侵入リスクが非常に増大しており、発生時を想定した危機管理と対応方法の演習も実施された。それらの概要と外部スピーカーとしての発表内容、そしてワークショップ参加で感じた意義などを報告する。

6. 肥育農場におけるPRRSの清浄化と農場防疫について
㈲サミットベテリナリーサービス 渡部佑悟、石関紗代子、数野由布子、石川弘道
豚繁殖・呼吸障害症候群(Porcine reproductive and respiratory syndrome:PRRS)は、妊娠豚の死流産や虚弱子分娩などの繁殖障害と育成豚の呼吸障害を主徴とする疾病である。今回、PRRSウイルス陰性であった肥育オガ粉農場において、PRRSウイルスの侵入を経験した。その後オールアウトと徹底した洗浄、消毒、乾燥によりPRRSの清浄化を達成し、農場へのPRRSウイルス再侵入を防ぐ目的で、出荷デポの設置などの農場防疫の強化を行ったので、その概要について報告する。

会報70号を発行いたしました。

会報70号をHPに掲載いたしました。
HPにて会員登録済の会員様は最新号会報もダウンロードが可能です。
(非会員は、最新2年分はダウンロードできません)
是非ご利用ください。

第90回日本豚病研究会研究集会は終了いたしました。

第90回日本豚病研究会研究集会は2017年5月26日(金)文部科学省研究交流センター(茨城県つくば市)において無事終了いたしました。
会員他、皆様のご協力に感謝申し上げます。

第90回日本豚病研究会研究集会のお知らせ

日本豚病研究会事務局(農研機構動物衛生研究部門内)
Tel/Fax: 029-838-7745
e-mail: tonbyou@ml.affrc.go.jp

 日本豚病研究会は春の研究集会を下記要領で開催します。

日 時: 平成29年5月26日(金) 13:00~17:00
場 所: 文部科学省研究交流センター(〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-20-5)            http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/kouryucenter/

参加方法: 
事前登録は不要です。当日会場で受付してください。                  
参加費    会員;無料   非会員;1,500円

日 程

1. 定期総会 (13:00~13:30)
2. 第21回日本豚病研究会藤﨑優次郎賞受賞記念講演(13:40~14:45)

座長 大石英司((株)微生物化学研究所)

農研機構 動物衛生研究部門     下地善弘 先生

座長 石関紗代子((有)サミットベテリナリーサービス)

農研機構 食農ビジネスセンター    山根逸郎 先生

[休 憩 14:45~15:00]

3. 特別講演(15:00~16:15)

座長 下地善弘(農研機構 動物衛生研究部門)

   豚の抗病性育種に向けたゲノム情報の活用

農研機構 生物機能利用研究部門  上西博英 先生

4.  DNAマーカーの品種改良への活用(16:15~16:55)

座長 川嶌健司(農研機構 動物衛生研究部門)

1) DNAマーカーを用いた育種改良研究について(16:15~16:35)

藤村達也(日本ハム㈱中央研究所)

2) 豚TLR5の一塩基多型(C1205T)がサルモネラ感染に及ぼす影響の検証(16:35~16:55)

宗田吉広(農研機構 動物衛生研究部門)

5. 閉 会(16:55~17:00)

<懇親会のお知らせ>
研究集会終了後、懇親会(当日受付)を予定しております。ふるってご参加ください。
時 間:17:30~18:30
場 所:レストラン エスポワール(つくば国際会議場内)研究集会会場より徒歩 約10分
〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-20-3 TEL:029-850-3266
会 費:5,000円

講演要旨
【特別講演】
豚の抗病性育種に向けたゲノム情報の活用

上西博英(農研機構 生物機能利用研究部門)

養豚業において、感染症等による斃死・成長阻害等の直接的な被害、あるいは感染症への対策に要する費用等は最も重要なコスト増大要因と言える。ワクチンや薬剤等による感染症の予防治療も重要であるが、豚そのものの抗病性を高めることによる衛生対策コストの低減についても検討が必要である。感染症への抵抗性に関しては、遺伝的要因に伴う個体間差が存在することが想定され、育種により豚群全体の抗病性を向上させることが期待される。これまでに我々が行ってきた、豚ゲノム情報を活用した抗病性に影響を与える遺伝的要因の探索と、豚の抗病性向上のための育種についての研究の現状と方向性について解説する。

○DNAマーカーの品種改良への活用

1)DNAマーカーを用いた育種改良研究について

                藤村達也(日本ハム㈱中央研究所)

養豚農場の規模拡大に伴い、疾病も多様化、複合感染化している。当社グループも年間約65万頭の肉豚を出荷しているため、疾病リスクは高い。従って、病気に強い系統の造成やDNAマーカーの開発は、事故率の低減に繋がる非常に有益な手法である。我々は、免疫形質を指標とした育種選抜を6世代に渡って実施し、生産性の高い集団の作出に成功した。しかしながら、このような形質を元にした育種選抜には時間も手間もかかるため、近年ではSNPチップなどを用いたゲノムレベルの解析による育種改良が世界的に検討されている。我々も前述の選抜集団についてSNPチップを用いたゲノムワイド相関解析を行い、選抜形質と有意に相関するDNAマーカーを検出した。今回の報告では、これまでの我々の取り組み紹介に加え、近年の国内外の報告を紹介する。

2)豚TLR5の一塩基多型(C1205T)がサルモネラ感染に及ぼす影響の検証

               宗田吉広(農研機構 動物衛生研究部門)

Toll-like receptor (TLR) は細菌やウイルスの構成成分を認識し、自然免疫応答を誘導する病原体のパターン認識受容体である。中でもTLR5は細菌のべん毛認識に関与しており、これまでに我々は、In vitroの試験において、豚のTLR5の特定の一塩基多型(C1205T) が、サルモネラのべん毛およびサルモネラ死菌体の認識を低下させることを見出し、その簡易なASP-PCRによる検出法について報告した。そこで本研究では、当該一塩基多型をヘテロ、 あるいはホモに有するSPF離乳子豚にSalmonella Typhimurium (ST) を感染させることにより、当該一塩基多型のST感染に及ぼす影響をIn vivoレベルで検証することを目的として、感染実験を行ったのでその成績について紹介したい。

第89回日本豚病研究会・2016年度日本豚病臨床研究会・平成28年度日本養豚開業獣医師協会 第7回合同集会(事務局:日本豚病臨床研究会)は終了いたしました。

日本豚病研究会、日本豚病臨床研究会、日本養豚開業獣医師協会第7回合同集会(事務局:日本豚病臨床研究会)を下記の要領で開催いたしました。

日時:2016年10月14日(金) 10:00~17:00(受付 9:15~)
場所:明治ホールディングス株式会社 本社ビル 地下1階講堂
〒104-0031 東京都中央区京橋2丁目4号16番
Tel:03-3273-3436

日 程

開 会 (10:00~10:10)

統一テーマ「感染症の撲滅と制御」
(10:10~15:30)

1. 基調講演
座長:小渕裕子(群馬県東部家畜保健衛生所)
伝染病との付き合い方-国内の豚ウイルス病対策- (10:10~11:10)
農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 前所長 津田知幸[豚病研]

2. 感染症の撲滅・制御に向けた取組事例等
座長:渡辺一夫((株)ピグレッツ)
呉 克昌((株)バリューファーム・コンサルティング)

①豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスの最新の情報 (11:10~11:30)
農研機構 動物衛生研究部門 高木道浩[豚病研]

② 畜舎空気中微生物の低減化に対する取り組み (11:30~11:50)
農研機構 動物衛生研究部門 勝田 賢[豚病研]

③ 投薬・早期離乳による豚胸膜肺炎の清浄化事例 (11:50~12:10)
(有)サミットベテリナリーサービス 石川弘道[JASV]

[昼休み(日本豚病研究会 幹事会)12:10~14:00]

Actinobacillus pleuropneumoniae (APP)清浄化に向けた検査プロトコルの検討
(14:00~14:20)
エス・エム・シー(株) 小池郁子[JASV]

⑤ PED清浄化対策により同時改善したPRDC事例 (14:20~14:40)
グローバルピッグファーム(株) 井上貴幸[豚臨研]

⑥ PEDの再発を繰返す二つの養豚団地での獣医療チームの取り組み
(14:40~15:00)
(有)あかばね動物クリニック 伊藤 貢[豚臨研]

3. 総合討論 (15:00~15:30)

[休憩 15:30~15:45]

一般口演
座長:矢原芳博(日清丸紅飼料(株))

① と畜現場から見た豚丹毒の発生要因と予防対策 (15:45~16:05)
富山県食肉検査所 小松美絵[豚病研]

② BioAsseT(バイオアセット)による農場バイオセキュリティ査定の取り組み
(16:05~16:25)
(株)スワイン・エクステンション&コンサルティング 大竹 聡[JASV]

③ 養豚場でのサーモグラフィーの活用方法を考える (16:25~16:45)
(有)あかばね動物クリニック 水上佳大[豚臨研]

閉 会 (16:45~17:00)

<お知らせ>

・ 合同集会当日はこの抄録をご持参いただきますようお願いいたします。

・ 合同集会終了後、懇親会を予定しております。ふるってご参加ください。

<懇親会について>

日時: 2016年10月14日(金) 17:30~19:30

場所: アンジェリオン オ プラザ 東京
東京都中央区京橋3-7-1 相互館110タワー 11階
(合同集会会場のすぐ近くです。http://tokyo.anjelion.jp/)

会費: 5,500円(会費は当日受付で申し受けます。)

参加人数把握のため、参加可能な方は、9月30日(金)までに、下記の連絡先に
メールにてご連絡ください。
なお、当日でも人数に余裕があれば、参加をお受けします。

懇親会参加者連絡先:日本豚病臨床研究会事務局
E-mail:masato.nagasue@meiji.com

講演要旨

統一テーマ「感染症の撲滅と制御」

1. 基調講演
伝染病との付き合い方-国内の豚ウイルス病対策-
農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 前所長 津田知幸
家畜の感染症には口蹄疫のように国内の産業や社会活動に壊滅的な打撃を与えるものから、PRRSのように農場生産性を低下させるようなものまで様々である。国際貿易に影響するような伝染病に対しては、国としての清浄性を維持するための防疫措置が法律によって定められている。一方で、地域や農場の衛生水準を高く維持するためには、個々の単位で防疫や対策が実施される。感染症対策は畜産業の発展や安全な畜産物の安定供給に不可欠で、感染症の特性や現場の状況に応じた戦略が必要である。特にウイルス感染症はウイルスの宿主域や感染部位、感染様式、伝播経路などが多様で対策も一様ではない。ここでは、近年問題となっている豚ウイルス病について、防疫戦略と衛生対策の要点について考察する。

2. 感染症の撲滅・制御に向けた取組事例等
① 豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスの最新の情報
農研機構 動物衛生研究部門 高木道浩
PRRSは世界の養豚産業において大きな経済損害を与える疾病の一つとして知られている。我が国において、PRRSウイルスが初めて分離されてから20年以上が経ち、国内の流行ウイルスにおいては遺伝的多様性が認められ、農場内での常在化する要因となっている。本講演では、我が国でのPRRSウイルスの遺伝学的多様性、最近、異常産を主徴とした事例、あるいはPRRSの関与による事故率の高い事例より分離したウイルスについて解析した結果、また、高病原性PRRSウイルスの現在の状況などを紹介したい。

② 畜舎空気中微生物の低減化に対する取り組み
農研機構 動物衛生研究部門 勝田 賢
家畜の感染症は感染動物や汚染媒介物を介して農場に侵入するほか、エアロゾルを介して空気伝播する可能性もあると考えられている。このため病原体を含む可能性がある畜舎空気環境の制御が農場のバイオセキュリティ上重要な要因の一つとなる。養豚では生産コスト削減による国際競争力向上が求められており、畜舎空気中微生物量低減による病原体の侵入・蔓延防止を通じた疾病対策は今後不可欠になると考えられる。
現在、動物衛生研究部門では、畜舎空気中微生物低減技術の開発を目指し、農研機構・畜産研究部門、宇都宮大学、そして釜石電機製作所と共同研究を実施している。今回、それらの共同研究において見えてきた畜舎空気中微生物低減技術の現状と課題について紹介する。

③ 投薬・早期離乳による豚胸膜肺炎の清浄化事例
(有)サミットベテリナリーサービス 石川弘道
投薬・早期離乳(Medicated Early Weaning:MEW)は授乳中の母豚に投薬すると同時に哺乳中の子豚を早期離乳し、隔離した場所で飼育することで母豚から子豚への病原体の母子感染を防ぎ、特定の疾病を清浄化する手法である。MEWはその後、母豚に投薬せず離乳日齢を早めることで母子感染を分断する分離早期離乳(Segregated Early Weaning:SEW )へと改良された。一方リン酸チルミコシンを用いたActinobacillus pleuronumoniae(App)清浄化についてはSmithらが報告しており、またDuらはリン酸チルミコシンが培養肺胞マクロファージ内のPRRSウイルスの増殖を抑制することを報告している。今回チルミコシンを授乳期の母豚と肥育豚に投薬し、MEWを実践することによりAppおよびPRRSの清浄化に成功した農場の症例を報告する。

Actinobacillus pleuropneumoniae (APP)清浄化に向けた検査プロトコルの検討
エス・エム・シー(株) 小池郁子
APPは、PRRSウイルスやPCV2が日本に侵入する以前から、呼吸器感染症の主要な病原体であり、すでに一世代を越え、農場に根付いてしまっている。そして今なお、肺炎・呼吸器系斃死豚の一番の原因菌であり続けている。
近年、PRRSやPCV2の減少と共にAPPの検出率は減少傾向にあるが、出荷豚でのAPP様病変、血清抗体検査結果などから、農場単位でみると、重篤な発症は減っているが農場から完全に排除出来たケースは非常に少ないと考えられる。
PRRS、MPS等については検査を組み合わせ、科学的な根拠に基づいた方法で、清浄化に取組み、すでに成功している事例も出ている。そこで、弊社でのAPP検出状況の変化を整理しAPP清浄化に向けたサンプリングプロトコールについて検討を行ったので、その経過を報告する。

⑤ PED清浄化対策により同時改善したPRDC事例
グローバルピッグファーム(株) 井上貴幸
過去数年に渡り、PRRS・PCV2の被害を受けていた母豚約250頭一貫経営農場では、離乳期から両ウイルスの発症があり、肥育期には急性肺炎による死亡が多発していた。加えて2014年春にはPEDが侵入。その後1年間に渡って継続的な被害が続いていたが、抜本的な対策を見直すことでそれら疾病の改善に導くことが出来た。具体的には衛生プログラムの見直し、ピッグフローの整理、AI/AOの計画、石灰消毒の方法などの対策が功を奏した。現在は哺乳~出荷までの事故率は9.21%と前年度の半分以下に抑えこめている。PRRSVは肥育後半に限局、PCV2は陰性化、PEDも清浄化(場内にウイルスが存在しない状態)が達成継続されている。また今回の対策は薬品衛生費を前年と比較して50.9%削減するものとなった。

⑥ PEDの再発を繰返す二つの養豚団地での獣医療チームの取り組み
(有)あかばね動物クリニック 伊藤 貢
2014年4月に二つの養豚団地に侵入したPEDは、沈静後も再発生を繰り返している。周りの農場では沈静化しているため、新たな感染源となりうる危険性を秘めており、再発を抑えるため、獣医師と生産者の二つの側面からPED再発抑止のアプローチをしている。
生産者を取り巻く組織を一つにするため、獣医師側は県、家畜保健衛生所、畜産協会、経済連、農協、開業獣医師の意識と情報の共有を図るため獣医療チームを結成、定期的な集まりをもうけながら、対応の方向性を検討。生産者側は、現状の正確な把握、情報知識の平準化、両団地の意識統一の二つの面から、4回目の冬季シーズンに発生させないための対策を進めている。

一般口演

1. と畜現場から見た豚丹毒の発生要因と予防対策
富山県食肉衛生検査所 小松美絵
平成26年度、管内と畜場で検出された豚丹毒菌42株(A~K農場)を用いて、血清型別診断、ワクチン株特異的PCR法、豚丹毒ワクチン接種状況調査を実施し、これらの農場における豚丹毒の発生要因と予防対策について考察した。血清型2型菌のみが分離されたA農場での発生は、ワクチンの未接種が原因と考えられたため、その対策により発生は終息した。生ワクチンを使用した農場において接種肉豚からワクチン株が検出されたが、その発生割合はワクチン未接種A農場の約40分の1であり、また不活化ワクチンのみの接種農場では発生がなかった。豚丹毒発生農場は、と畜検査で「著変なし」の肉豚割合が平均より低く、衛生状態の向上で豚丹毒の発生を抑制できると推測された。

2. BioAsseT(バイオアセット)による農場バイオセキュリティ査定の取り組み
(株)スワイン・エクステンション&コンサルティング 大竹 聡
バイオセキュリティは、養豚生産農場における重要な衛生疾病対策の一つである。科学的根拠に基づき客観的な視点でバイオセキュリティを評価することが、各農場およびその地域全体の衛生レベルを改善するためには必須である。P-JET(PRRS撲滅推進チームJAPAN)は、各農場におけるバイオセキュリティのレベルを詳細に数値化・分析し客観的に査定できるシステムとしてBioAsseT(バイオアセット)を開発した。本発表では、そのBioAsseTを活用した取り組みを紹介する。

3. 養豚場でのサーモグラフィーの活用方法を考える
(有)あかばね動物クリニック 水上佳大
サーモグラフィーは物体から放たれる赤外線を放射量で画像に色分けする装置のことである。機器で映した画像全体、つまり面の温度を知ることができる。広範囲を効率的に測定できるため、異常温度をとらえやすい。以前は極めて高価な機器だったが低価格化とコンパクト化が進んでいる。しかしながら、養豚現場での使用実績は少なく、使用方法は十分確立されていない。環境のモニタリングに視覚的な説得力があり、有用なツールとして今後養豚農場での活用が高まると考える。

第89回日本豚病研究会・2016年度日本豚病臨床研究会・平成28年度日本養豚開業獣医師協会第7回合同集会(事務局:日本豚病臨床研究会)は終了いたしました。

平成28年10月14日(金)第7回合同集会は明治ホールディングス株式会社本社地下一階講堂において無事盛会に終了いたしました。会員他、皆様のご協力に感謝申し上げます。

第88回日本豚病研究会研究集会は終了いたしました。

2016年5月27日(金)文部科学省研究交流センター(茨城県つくば市)において第88回日本豚病研究会春の研究集会は無事終了いたしました。会員他、皆様のご協力に感謝申し上げます。

お悔み

第17回日本豚病研究会藤﨑優次郎賞受賞者の出口栄三郎鹿児島大学前教授におかれましては、2016年4月15日逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

第88回日本豚病研究会研究集会は終了いたしました。

日本豚病研究会は春の研究集会を下記要領で開催いたしました。

日 時: 平成28年5月27日(金) 13:00~17:00
場 所: 文部科学省研究交流センター(〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-20-5)

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/kouryucenter/

参加方法:
事前登録は不要です。当日会場で受付してください。
参加費    会員;無料   非会員;1,500円

日 程
1. 定期総会 (13:00~13:30)

2. 第20回日本豚病研究会藤﨑優次郎賞受賞記念講演(13:40~14:10)
座長 志賀 明((有)シガスワインクリンニック)

有限会社 豊浦獣医科クリニック
エス・エム・シー株式会社
一般社団法人 日本養豚開業獣医師協会   大井宗孝先生

3. 特別講演(14:15~15:30)
座長 内田郁夫(農研機構動物衛生研究部門)

食用動物由来薬剤耐性菌の現状とリスク管理
酪農学園大学獣医学群食品衛生学     田村豊 先生

[休 憩 15:30~15:45]

4.  農場における薬剤耐性菌の現状(15:45~16:55)
座長 大井宗孝(豊浦獣医科クリニック)
1) JVARM(動物由来薬剤耐性菌モニタリング)の取り組み(15:45~16:05)
川西路子(農林水産省動物医薬品検査所)

2) 豚由来細菌における薬剤耐性菌の疫学(16:05~16:25)
小澤真名緒(農林水産省動物医薬品検査所)

3) 新たな多剤耐性病原性大腸菌系統の出現(16:25~16:55)
楠本正博(農研機構動物衛生研究部門)

5. 閉 会(16:55~17:00)

講演要旨

【特別講演】

食用動物由来薬剤耐性菌の現状とリスク管理
田村 豊(酪農学園大学獣医学群食品衛生学)

食用動物由来薬剤耐性菌の人の健康への影響を最初に指摘したのは、1969年に英国議会に提出したSwan報告である。その後、国際会議でしばしばその対策が議論されているが、基本的には各国に任されていた。しかし、医療における耐性菌問題は極めて深刻な問題になっているため、2015年5月に開催されたWHO総会で薬剤耐性に関する国際的なアクション・プランが採択され、2年以内に各国でアクション・プランを作成することが求められた。その基本的な考えがOne Health approachであり、人と動物と環境(野生動物を含む)を包含した対策の必要性が求められている。
そこで今回はこの問題における国際的な動向を述べ、わが国の食用動物由来薬剤耐性菌の現状とリスク管理対策について豚を中心に紹介したい。

○農場における薬剤耐性菌の現状
1)JVARM(動物由来薬剤耐性菌モニタリング)の取り組み
川西路子(農水省動物医薬品検査所)

JVARM(動物由来薬剤耐性菌モニタリング)は、1999年に農林水産省動物医薬品検査所が全国の家畜保健衛生所等とネットワークを構築し開始された。JVARMは大きく分けて以下の3つの調査(①食用動物における動物用抗菌剤販売高の調査②野外流行株の薬剤耐性調査③食品媒介性病原細菌・指標細菌の薬剤耐性調査から構成されている。現在、これらの調査結果は家畜に使用する抗菌性物質の人の健康と獣医療に対するリスク評価及びリスク管理の基礎資料として活用されている。今後は、今年4月に策定された薬剤耐性対策アクションプランに基づき、畜水産、獣医療等分野におけるサーベイランス体制を確立・強化していく予定である。

2)豚由来細菌における薬剤耐性菌の疫学
小澤真名緒(農水省動物医薬品検査所)

豚の疾病の治療には様々な抗菌剤が使用されるが、その使用が選択圧となって耐性菌の選択、伝播及び定着に影響を与える。また、菌側の要因として、耐性を獲得した菌の適応性(fitness)もこれらに影響すると考えられる。一般的には感受性菌と比較して耐性菌は適応性が低下し、抗菌剤の使用による選択圧がない場合は感受性菌が優勢となり、耐性菌は淘汰されてしまう。しかし、選択圧がなくなっても耐性菌が維持される例が報告されている。選択圧と細菌の適応性は薬剤耐性菌の疫学を考える上で重要なファクターであり、慎重使用の徹底によりできる限り選択圧を下げるとともに、細菌の適応性も考慮して薬剤耐性菌対策を行う必要がある。

3)新たな多剤耐性病原性大腸菌系統の出現
楠本正博(農研機構動物衛生研究部門)

病原性大腸菌は豚の大腸菌症、特に下痢や浮腫病の原因となり、世界的にはO8、O138、O139、O141、O147、O149、O157などがその代表的なO群血清型とされている。しかし国内では十分な調査が行われておらず、豚から分離された病原性大腸菌の全体像については不明な点も多い。本講演では、国内で下痢または浮腫病の豚から分離された病原性大腸菌について、O群血清型、遺伝学的系統、病原性関連遺伝子保有状況、薬剤感受性などを調査した結果と、そこから見えてきた新しい多剤耐性病原性大腸菌系統について報告する。