第95回日本豚病研究会・2019年度日本豚病臨床研究会・ 令和元年度日本養豚開業獣医師協会 第10回合同集会のお知らせ

事務局:日本豚病臨床研究会事務局
(Meiji Seikaファルマ株式会社内)
Tel:03-3273-3436
Fax:03-3271-1460
E-mail:rumi.takamiya@meiji.com

日本豚病研究会、日本豚病臨床研究会、日本養豚開業獣医師協会は、第10回合同集会を開催いたします。詳細につきまして、下記の通りご案内申し上げます。

日時: 2019年10月11日(金) 10:00~17:00(受付 9:15~)
場所: 明治ホールディングス株式会社 本社ビル 地下1階講堂
〒104-0031 東京都中央区京橋2丁目4番 16号
Tel:03-3273-3436

<お知らせ>
・ 合同集会終了後、懇親会を予定しております。奮ってご参加ください。
・ 集会への参加申し込みは不要です。当日直接会場までお越しください。
・ 懇親会のみ事前登録が必要となります。下記の「懇親会について」をご覧いただきお申し込みください。

日 程

開 会 (10:00~10:05)

統一テーマ「豚コレラ2018の既知と未知」         (10:05~15:45)

統一テーマ司会:末吉 益雄(宮崎大学)

1.趣旨説明                        (10:05~10:25)
宮崎大学 末吉 益雄[豚臨研]

座長:山田 学(農研機構 動物衛生研究部門)
2.豚コレラの疫学調査に係る中間取まとめ         (10:25~11:10)
農林水産省 消費・安全局 動物衛生課 室賀 紀彦[豚病研]

座長:石川 弘道((有)サミットベテリナリーサービス)
3.飼養衛生管理基準再点検および岐阜県の指導から学ぶバイオセキュリティ (11:10~11:40)
(一社)日本養豚開業獣医師協会  呉 克昌[JASV]

4.EUにおけるイノシシの豚コレラ対策                (11:40~12:10)
エクシュタイン・スワイン・サービス  宮下 マリ[JASV]

[休憩 12:10~14:00](日本豚病研究会 幹事会)

座長:武田 浩輝(アークベテリナリーサービス)
5.豚コレラ発生農場と地域の実情                 (14:00~14:40)
(有)あかばね動物クリニック  水上 佳大・伊藤 貢[豚臨研]

6.経験者が語る過去の豚コレラワクチンの効果について       (14:40~15:00)
長野県農業共済組合  中川 巳津英[豚臨研]

7.総合討論                           (15:00~15:45)

[休憩 15:45~15:55]

一般口演                             (15:55~16:55)
座長:矢原 芳博(日清丸紅飼料(株))

1.旅客携帯品として海外から持ち込まれた豚肉加工品からのアフリカ豚コレラウイルス(ASFV)の分離について
農研機構 動物衛生研究部門  舛甚 賢太郎[豚病研]         (15:55~16:15)

2.国内の豚から検出されたPCV2の遺伝学的変化             (16:15~16:35)
エス・エム・シー(株)  小池 郁子[JASV]

3.豚流行性下痢(PED)流行地域における非発生農場の侵入防止に向けたリスク評価に基づく防疫対策とモニタリング検査結果
南州農場(株)  高野 晃一[豚臨研] (16:35~16:55)

閉 会 (16:55~17:00)

懇親会について
日時: 2019年10月11日(金) 17:30~19:30
場所: アンジェリオン オ プラザ 東京
東京都中央区京橋3-7-1 相互館110タワー 11階
(合同集会会場のすぐ近くです。下図参照)
https://tokyo.anjelion.jp/
会費: 5,500円(会費は当日受付で申し受けます。)

懇親会参加人数把握のため、参加可能な方は、9月27日(金)までに、
以下の連絡先へメールにてご連絡ください。
なお、当日でも人数に余裕があれば、参加をお受けいたします。
懇親会参加者連絡先:日本豚病臨床研究会事務局
E-mail:rumi.takamiya@meiji.com
※メールの件名は「三団体懇親会申込」にてお送りください。

講演要旨
統一テーマ「豚コレラ2018の既知と未知」

1.趣旨説明
宮崎大学  末吉 益雄
2018年に再発生した豚コレラについて分かったこと、分からないこと、今後の防疫のためには何を確認しなければならないのか?豚コレラの拡大防止、清浄化に資する機会としたい。分かったことは、流行ウイルス株は「Mongolian/2014」、「Chinese/2015」に近縁(一部変異)、その病原性は比較的弱く、初期の臨床診断は困難、扁桃の蛍光抗体法検査で陰性例がある、豚用ワクチンは100万ドーズ備蓄、ドイツではイノシシ用経口ワクチンの成功経験がある。分かっていないことは、豚とイノシシへの病原性(病態と免疫動態、特に感染2週以後)、現行飼養衛生管理基準の盲点、in vivoにおける現有ワクチン効果、国内での野生イノシシへの経口ワクチンの効果、豚への予防ワクチンのシミュレーション、ワクチンの増産計画/緊急輸入計画など、がある。

2.豚コレラの疫学調査に係る中間取りまとめ
農林水産省 消費・安全局 動物衛生課  室賀 紀彦
2018年9月、岐阜県岐阜市の養豚農家において、我が国で26年ぶりに豚コレラが発生した。その後、2019年7月31日までに、愛知県、三重県、福井県でも発生が確認されている。また、岐阜県及び愛知県北部地域を中心に6県では、野生イノシシについても感染が確認されている。
農林水産省では、豚コレラの発生直後に、科学的な分析・評価により感染経路の究明等を行うため、ウイルス学、疫学、野生動物等の専門家で構成される「拡大豚コレラ疫学調査チーム」を設置し、今般の発生及び感染拡大の要因についての情報の収集・分析を進めてきた。本講演では、その分析結果を取りまとめた「豚コレラの疫学調査に係る中間取りまとめ」について、概要を紹介する。

3. 飼養衛生管理基準再点検および岐阜県の指導から学ぶバイオセキュリティ
(一社)日本養豚開業獣医師協会  呉 克昌
2018年9月に岐阜県で26年ぶりに発生した豚コレラは、その後も続発しており、野生イノシシにおける感染地域も拡大している。この中で、(一社)日本養豚開業獣医師協会(JASV)は2019年2~3月に国からの要請を受け国・岐阜県・JASVの獣医師によるチームで岐阜県内の豚コレラ陰性農場の飼養衛生管理基準の再点検に同行し、衛生指導を行った。また、岐阜県からの要請を受けて、2019年8~9月にも陰性農場の衛生指導を行っている。この訪問の中で、特にリスクが高いと思われる農場バイオセキュリティの課題が明らかとなったので、報告したい。

4.EUにおけるイノシシの豚コレラ対策
エクシュタイン・スワイン・サービス  宮下 マリ
1990年にすべてのEU加盟国で豚への豚コレラワクチンの接種が中止された。しかし、その後、オランダ、ドイツ、スペイン等、養豚主要国で相次いで豚コレラ(CSF)が発生した。その主な原因として、野生イノシシでのCSF感染と常在化が示唆されたため、野生イノシシにおけるCSFの対策が必要とされた。複数の国や地域で経口弱毒生ワクチンの散布や狩猟の強化、イノシシのサーベイランスを実行し、その経験と教訓を踏まえ、現在、欧州委員会は専門家により作成された野生イノシシにおけるCSFの制御と清浄化に関するガイドラインを提供している。このガイドラインの内容及びイノシシでCSFの清浄化に成功した事例を紹介する。

5.豚コレラ発生農場と地域の実情
(有)あかばね動物クリニック  水上 佳大・伊藤 貢
2018年9月9日に岐阜県で豚コレラが確認されて以降、養豚場および野生イノシシでの発生は拡大している。2019年2月5日には愛知県に飛び火した。
豚コレラはもともと特徴的な臨床症状が乏しい疾病である。更に、今回の株は、病原性が低いため、農場内での類症診断が難しい場合も多い。
発生が確認された地域を中心に、農場防疫の意識は高まった。しかしながら、疑われる感染経路は多岐にわたる。制限区域の設定も長期に及んだため、地域の多くの農場が精神的にも経済的にも窮状に立たされた。再開に向けて、取り組みを行っている。

6.経験者が語る過去の豚コレラワクチンの効果について
長野県農業共済組合  中川 巳津英
約40年前の昭和55年埼玉県西部の入間、狭山に発生した豚コレラを回想してみると、古いことで記憶も定かでないが、豚コレラワクチンの有効性を思い起こす。豚コレラ生ワクチンが開発される前、クリスタルバイオレットを応用した不活化ワクチンを使用していたが、このワクチンの効果は不十分であり毎年のように発生を繰り返していた。その後、豚コレラ生ワクチンが開発され使用されるようになり豚コレラの発症は激減した。ある発生農場では、ワクチンが接種されていた3豚房の肉豚は、豚コレラ症状を示すことなく健康な状態であったが、ワクチン未接種だった奥の3豚房では、全ての肉豚が動かなく寝ている状態であった。家畜保健衛生所の病性鑑定時には奥3豚房の肉豚では死亡あるいは全身チアノーゼの状態であった。

一般口演

1.旅客携帯品として海外から持ち込まれた豚肉加工品からのアフリカ豚コレラウイルス(ASFV)の分離について
農研機構  動物衛生研究部門  舛甚 賢太郎
舛甚賢太郎1)、山添麗子1)、亀山健一郎1)、藤澤希2,3)、小林芳史2)、岩田啓2,4)、
仙波裕信2)、山田学1)、遠藤明仁2)、國保健浩1)、柳澤成江2,5)、山川睦1)
1)農研機構 動物衛生研究部門 海外病拠点、2)農林水産省 動物検疫所精密検査部病理・理化学検査課、3)現農林水産省 動物検疫所精密検査部微生物検査課、4)現農林水産省 消費・安全局動物衛生課、5)現農林水産省 動物検疫所関西空港支所検疫第2課)
アフリカ豚コレラ(ASF)は、ASFウイルス(ASFV)によって引き起こされる豚及びイノシシの致死的な熱性感染症であり、現在世界的に最も恐れられている越境性動物疾病のひとつである。日本では未発生だが、昨年10月に国内の空港にて国際旅客の携帯品として収去された豚肉加工品からASFVの遺伝子が初めて検出され、以後も同様の事案が継続している。これまで旅客携帯品から直接ASFVを分離したという報告はないが、過去の発生例を鑑みると海外から不法に持ち込まれる豚の生肉や加工品によるウイルス持ち込みの危険性を強調してもし過ぎることはない。
そこで我々はASFの侵入阻止に資するため、動物検疫所にて収去したASFV遺伝子検査陽性の豚肉加工品からASFV分離を試み、これに成功したので報告する。

2.国内の豚から検出されたPCV2の遺伝学的変化
エス・エム・シー(株)  小池 郁子
世界各地で国境を越え様々な病気が広がっている中、日本国内でも豚流行性下痢ウイルス(PED)や豚コレラウイルス(CSF)の侵入が相次いで発生している。発生の都度侵入経路の調査やその対策についての検討などが行われている。一方で慢性疾病については、感染が当たり前となっており外部から新しく入ったとしても気が付かれないままとなっているケースがほとんどであると考える。しかし農場内外のバイオセキュリティを検討するうえで、慢性疾病をモニタリングすることもリスク評価の一つとなると考える。
我々は、慢性疾病であるPCV2の遺伝学的な変化を調査することで、国内の疾病の侵入およびその広がりについて確認したので報告する。

3.豚流行性下痢(PED)流行地域における非発生農場の侵入防止に向けたリスク評価に基づく防疫対策とモニタリング検査結果
南州農場(株)  高野 晃一
N農場は、PEDの平成25年シーズンに169農場が陽性となった鹿児島県に位置し、これまで発生を免れている。平成26年の農林水産省のPED疫学調査によると非発生農場の駐車場などにおける拭き取り検査の結果、PEDvがPCR陽性であった事が示された。農場入口まで従業員と来場者がウイルスを持ち込んでいる危険性がある事から「農場入場回数」と「他農場との交叉」でリスク評価と防疫対策を行った。リスクが高いと評価されたのは従業員・飼料車両・出荷車両だった。来場する業者は47社にも及んだ。鹿児島県で17農場が陽性となった平成27年シーズンの平成27年11月~平成28年3月まで月1回モニタリング検査を行い、採材日に訪れた計29業者と従業員等に対して拭き取り検査を行った。その結果全ての検体でPEDvがPCR陰性であり、N農場で行われた防疫対策が有効であると考えられた。

アフリカ豚コレラに関する早期公開論文(編集・出版前の最終版論文)をお知らせします。

現在の家畜衛生状況を考慮し、特別に早期公開いたします。(日本豚病研究会編集委員会)
日本豚病研究会ホームページ会報74号2019年08月(予定)に
アフリカ豚コレラに関する早期公開論文
原著論文:旅客携帯品として海外から持ち込まれた輸入禁止の豚肉加工品からのアフリカ豚コレラウイルス(ASFV)の分離

舛甚賢太郎、山添麗子、亀山健一郎、藤澤希、小林芳史、岩田啓、仙波裕信、山田学、遠藤明仁、國保健浩、柳澤成江、山川睦
を掲載いたしました。会報74号(予定)の欄をクリックしてください。

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第94回日本豚病研究会研究集会は終了いたしました。

第94回日本豚病研究会は令和元年(2019年)5月24日(金)文部科学省研究交流センター(つくば市)にて開催いたしました。会員他、多数の皆様のご参加に感謝申し上げます。

第94回日本豚病研究会研究集会

日本豚病研究会事務局(農研機構  動物衛生研究部門内)
Tel/Fax: 029-838-7745
e-mail: tonbyou@ml.affrc.go.jp

日本豚病研究会は春の研究集会を下記要領で開催しますのでご案内致します。

日 時: 令和元年5月24日(金) 13:00~17:00
場 所: 文部科学省研究交流センター(〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-20-5)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/kouryucenter/
参加方法:
事前登録は不要です。当日会場で受付してください。
参加費    会員;無料   非会員;1,500円

日 程
1. 定期総会 (13:00~13:30)

2.  第22回日本豚病研究会藤﨑優次郎賞受賞記念講演(13:40~14:20)
座長 下地 善弘[農研機構 動物衛生研究部門]

一般財団法人日本生物科学研究所      長井 伸也 先生
日生研株式会社

3. 特別講演(14:25~15:35)
座長 小渕 裕子[群馬県西部家畜保健衛生所]

野生イノシシの基礎生態
宇都宮大学 雑草と里山の科学教育研究センター 小寺 祐二 先生

[休 憩 15:35~15:50]

4.  野生イノシシと家畜疾病(15:50~16:15)
座長 山本 健久[農研機構 動物衛生研究部門]

野生イノシシにおける家畜疾病の全国調査
農研機構 動物衛生研究部門          大﨑 慎人 先生

5.豚コレラについて(16:15~16:55)
座長 山川 睦 [農研機構 動物衛生研究部門]

2018~2019年にわが国で発生した豚コレラの原因ウイルスの性状
農研機構 動物衛生研究部門          深井 克彦 先生

6. 閉 会(16:55~17:00)

講演要旨

野生イノシシの基礎生態

小寺祐二(宇都宮大学雑草と里山の科学教育研究センター)

イノシシ(Sus scrofa)といえば、一昔前までは西日本を中心に生息する野生動物であり、その肉は高い商品価値を持つことから、重要な狩猟獣でもあった。しかし、その様相は近年著しく変化している。関東、中国、北九州地方などでの分布域回復を皮切りに、現在の分布は東北、北陸地方にまで達している。また、その分布域では農作物被害や人身事故が発生し、社会的な問題となっている。さらに昨年9月には、野生イノシシでの豚コレラ発症が確認され、その感染拡大が懸念されている。その一方で、イノシシの生態学的特徴については、社会一般に正しく理解されているとは言えず、本種に関わる様々な対策の実施時に、不適切な手法が用いられる場合が散見される。そこで本講演ではイノシシの生態学的特徴について解説し、豚コレラ防疫に際して注意すべき事項などについて考察したい。

野生イノシシにおける家畜疾病の全国調査

大﨑慎人(農研機構・動物衛生研究部門)

人類の生活圏の拡大と交易活動の拡大に伴い各種感染症のリスクも増大する中、感染症の伝播リスクを考えるためには、環境を含めた監視を行うことが重要である。特に家畜の疾病は、野生環境に生息する感受性動物がレゼルボアとなることも多く、畜産物の流通がグローバル化する時代において、国家の疾病ステータスを評価する上で野生動物における家畜疾病の情報はこれまで以上に重視されてきている。イノシシは豚の疾病のほとんどに感受性を持つが、我が国の野生イノシシにおける疾病浸潤状況についてはこれまで全国的な調査は行われていなかった。本発表では我々が平成26年度から農林水産省事業で実施した野生イノシシの全国サーベイランス(旋毛虫症、オーエスキー病、PRRS、PED、豚丹毒、ブルセラ病)の内容について紹介したい。

2018~2019年にわが国で発生した豚コレラの原因ウイルスの性状

深井克彦(農研機構 動物衛生研究部門)

2018年9月9日にわが国では26年ぶりに豚コレラの発生が確認された。2019年3月15日現在で、11事例32農場2と畜場で発生が確認され、殺処分頭数は約49,000頭に及んでいる。また、228頭の野生イノシシにおいて豚コレラウイルスが検出されている。
本発生の原因ウイルスは、ゲノムの塩基配列解析により、東アジア諸国で流行している遺伝子型2.1d型であることが確認された。この遺伝子型のウイルスは国内で確認されたことがなく、原因ウイルスの海外からの侵入が示唆された。
原因ウイルスを用いた感染試験において、ウイルス接種豚では発熱や白血球減少が確認されたが、約2週間の試験期間中生残した。また、同居豚も感染し、接種豚と同様の臨床症状を示した。ウイルス遺伝子は、接種豚および同居豚の唾液、鼻汁および糞便から感染後最低2週間検出されるとともに、抗体は2週間以降に検出された。

〈お知らせ〉
・研究集会終了後、懇親会 (当日受付) を予定しております。ふるってご参加ください。

懇親会について
時 間: 17:30~19:30
場 所: レストラン エスポワール(つくば国際会議場内); 研究集会会場より徒歩 約10分
〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-20-3  TEL:029-850-3266
http://www.epochal.or.jp/floor_guide/food/index.html
会 費: 5,000円

会報73号を発行いたしました。

会報73号をHPに掲載いたしました。
HPにて新規会員登録済の会員様は最新号会報もダウンロードが可能です。
(非会員又は、会員様でも新規会員未登録の方は最新2年分はダウンロードできません。)
是非ご利用ください。

日本学術会議 獣医&食の安全シンポジウム アフリカ豚コレラ緊急公開セミナーをお知らせします。

日本学術会議 獣医&食の安全シンポジウム開催案内(暫定版)
アフリカ豚コレラ緊急公開セミナー

第93回日本豚病研究会・2018年度日本豚病臨床研究会・ 平成30年度日本養豚開業獣医師協会 第9回合同集会は終了いたしました。

第93回日本豚病研究会・2018年度日本豚病臨床研究会・平成30年度日本養豚開業獣医師協会第9回合同集会(事務局:日本養豚開業獣医師協会)は平成30年10月12日(金)明治ホールディングス株式会社本社地下一階講堂にて開催いたしました。会員他、多数の皆様のご協力に感謝申し上げます。

岐阜県で豚コレラが発生しました。


豚コレラについての注意喚起
:農林水産省より

豚コレラ:農研機構 動物衛生研究部門の疾病情報より などもご覧ください。

第93回日本豚病研究会・2018年度日本豚病臨床研究会・ 平成30年度日本養豚開業獣医師協会 第9回合同集会は終了いたしました。

第93回日本豚病研究会・2018年度日本豚病臨床研究会・
平成30年度日本養豚開業獣医師協会
第9回合同集会のお知らせ

日本豚病研究会事務局(動物衛生研究部門内)
Tel/Fax: 029-838-7745
e-mail: tonbyou@ml.affrc.go.jp

日本豚病研究会、日本豚病臨床研究会、日本養豚開業獣医師協会は、第9回合同集会を開催することとなりました。下記の通り、ご案内申し上げます。

日時:2018年10月12日(金) 10:00~17:00(受付 9:15~)
場所:明治ホールディングス株式会社 本社ビル 地下1階講堂
〒104-0031 東京都中央区京橋2丁目4番 16号
Tel:03-3273-3436

<お知らせ>
・ 合同集会当日はこの抄録をご持参いただきますようお願いいたします。
・ 合同集会終了後、懇親会を予定しております。ふるってご参加ください。
・ 集会への参加申し込みは不要です。当日直接会場までお越しください。懇親会のみ事前登録が必要となりますので、次ページに従ってお申し込みをお願い申し上げます。

日 程

開 会(10:00~10:10)

統一テーマ「慢性疾病の問題点と対策」(10:10~15:45)

座長:高橋良太(KMバイオロジクス㈱)

1. 新潟県におけるPRRSのコントロールと清浄化に向けた有効なモニタリング方法の実践とその効果  (10:10~10:40)
新潟県下越家畜保健衛生所 村山修吾[豚病研]

2. 山形県庄内家保管内における慢性疾病対策事例 (10:40~11:10)
山形県庄内家畜保健衛生所 細川みえ他[豚病研]

座長:大井宗孝((有)豊浦獣医科クリニック)

3. PCV2dが関与したPCVADの症例  (11:10~11:40)
㈱バリューファーム・コンサルティング 呉 克昌[JASV]

4. 千葉県旭市のPRRSコントロールプロジェクトと取組事例 (11:40~12:10)
イデアス・スワインクリニック 早川結子[JASV]

[昼休み(豚病研究会 幹事会)12:10~14:00]

座長:矢原芳博(日清丸紅飼料(株))

5. 給水設備汚染が原因と考えられたSallmonela O4:i:-による下痢症 (14:00~14:30)
宮崎県農業共済組合連合会 嶋田 誠司[豚臨研]

6. 肥育豚における豚サーコウイルス関連疾病の発生要因分析とワクチン接種法の検討                             (14:30~15:00)
(株)沖縄県食肉センター 大城 守[豚臨研]

7. 総合討論 (15:00~15:45)

[休憩 15:45~16:00]

一般口演  (16:00~16:45)
座長:武田浩輝((有)アークベテリナリーサービス)

1. 抗豚流行性下痢ウイルス鶏卵黄抗体のウイルス不活化作用  (16:00~16:15)
㈱イーダブルニュートリション・ジャパン 岐阜免疫研究所 梅田浩二他[豚病研]

2. 豚サーコウイルス3型(PCV3)検出事例報告 (16:15~16:30)
グローバルピッグファーム(株)  岡田久雄[豚臨研]

3. ローソニア生ワクチンが豚の肉臭に及ぼす影響  (16:30~16:45)
㈲サミットベテリナリーサービス 石川弘道[JASV]

閉 会(16:45~17:00)

講演要旨

○統一テーマ「慢性疾病の問題点と対策」

1. 新潟県におけるPRRSのコントロールと清浄化に向けた有効なモニタリング方法の実践とその効果
村山修吾(新潟県下越家畜保健衛生所)

PRRSを克服するために最も重要な要素はモニタリングであり、農場毎に実施可能な対策を構築するには、広範囲かつ頻回のモニタリングが必須となる。これを可能とするのが口腔液によるモニタリングで、感染経路を把握することではじめて具体的な対策案の提示が可能となり、生産者がPRRS対策の目的と目標を理解することができる。当所では平成29年度からのワクチンを活用した新規事業「養豚農場PRRS撲滅対策事業」に合わせ、管内17陽性農場で子豚へのワクチン接種や感染要因の排除と改善に取り組み、モニタリングを継続しながら生産者をバックアップすることで、生産性が向上するとともにPRRSのコントロールに向け大きく前進している。今回、新潟県における取り組み事例を紹介させていただきPRRS対策の一助となれば幸いである。

2. 山形県庄内家保管内における慢性疾病対策事例
細川みえ、佐々木志穂、池田 等他(山形県庄内家畜保健衛生所)

山形県の家畜保健衛生所では消費・安全対策交付金等を活用し、養豚場における生産性向上のため、指導を希望する農場に対して豚の病性鑑定、細菌分離培養および薬剤感受性試験、ステージ別採血による抗体検査、遺伝子検査等を実施し、薬剤の適正使用、ワクチンプログラムの見直し、ピッグフローに沿った飼養管理方法の見直し、豚舎内外の消毒等を指導してきた。また、県内3か所の食肉衛生検査所においては、家畜の疾病低減を目的として、と畜検査データを希望する生産者および家畜保健衛生所に還元し、そのデータを生産者および臨床獣医師が活用することで生産性の向上が図られてきた。そこで今回は、当家保管内における豚慢性疾病対策事例について紹介する。

3. PCV2dが関与したPCVADの症例
呉 克昌(㈱バリューファーム・コンサルティング)

顧客農場において2ヵ月齢以降の死亡率と発育不良が顕著に発生したため、原因究明のために病理解剖を10頭で実施した。当該農場では、子豚には2日齢でマイコプラズマ不活化ワクチン、離乳時にPCV2不活化ワクチンが接種していた。臨床症状と解剖結果よりマイコプラズマとウイルスの混合感染を強く疑い、そこに2次感染菌の感染が起こり死亡と発育不良につながったと推定したが、麻布大学ピッグクリニックセンター(PCC)および民間検査機関での検査を実施したところ、PCV2の関与が明らかとなった。また遺伝子解析によりPCV2dであることが判明したので、その詳細について発表する。

4. 千葉県旭市のPRRSコントロールプロジェクトと取組事例
早川結子(イデアス・スワインクリニック)

豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)は、養豚産業に大きな経済損失をもたらす重要な疾病である。近年、当疾病に対する地域ぐるみの取り組みが、様々な背景のもとに国内複数地域で行われている。予てより地域防疫の体制作りが進められてきた千葉県北東部の旭市養豚推進協議会では、昨年9月から旭市PRRSコントロールプロジェクトがスタートした。その内容は、①PRRSやバイオセキュリテイに関して勉強会を継続実施する②PRRS重点対策モデル農場を選出する③会員全戸のPRRS清浄度ステージング、ウイルス株解析を実施する、以上3点である。これまで7軒がモデル農場となり、64軒の農場がPRRS清浄度ステージングに参加した。これらの取り組みについて報告する。

5. 給水設備汚染が原因と考えられたSallmonela O4:i:-による下痢症
嶋田誠司(宮崎県農業共済組合連合会)

中古農場を取得し、外部より子豚を導入、肥育を開始した農場において、導入後に群全体で下痢や嘔吐、発熱等の症状がみられ、死亡する個体もあった。アモキシシリン(AMPC)の飲水投与は奏功せず、マルボフロキサシン(MBFX)の筋肉内投与で症状は沈静化した。病性鑑定の結果、Salmonella O4:i:-による下痢症と診断された。環境拭き取り検査では、給水器等からも原因菌が分離され、農場内常在化を防ぐために給水設備の消毒等の対策を講じた。その後、環境からの分離はなくなった。一方で、現状、豚舎内に侵入するネズミとの関連も疑われる。本原因菌は、相当の病原性がある上に、2018年4月より届出の対象となっており、臨床現場においてその発生に注意が必要である。

6. 肥育豚における豚サーコウイルス関連疾病の発生要因分析とワクチン接種法の検討
大城 守((株)沖縄県食肉センター)

2017年2月、母豚900頭規模の一貫農場において、肥育舎移動後120日齢前後で豚サーコウイルス関連疾病に罹患する事例に遭遇。ワクチンによる予防は分娩前母豚にPCV2ワクチンを接種する「母豚接種法」であった。2014年から2017年の各年に採血した120日齢前後の保存血清の中からPCV2陽性の検体を抽出し、ORF2領域の塩基配列を解析した結果、農場浸潤株が発生前のPCV2aから発生時には変異型PCV2dに変化していることを確認。飼養規模や管理方法に変更なく肥育期で本病が発生し始めたのは、PCV2株の変異が要因の一つと分析。従前の「母豚接種法」のワクチンプログラムを改め、移行抗体消失時期を考慮した「母豚・子豚接種法」を検討し、効果に関する検証を行ったのでその概要を報告する。

○一般口演
1. 抗豚流行性下痢ウイルス鶏卵黄抗体のウイルス不活化作用
梅田浩二1、鈴木 亨2、大橋誠一2、Seong-cheol Moon3、Shofiqur Rahman1、Sa Van  Nguyen1 (1㈱イーダブルニュートリション・ジャパン 岐阜免疫研究所、2農研機構動物衛生研究部門、3Komipharm International Co., Ltd.)

豚流行性下痢(PED)は2013年に再興・流行し、現在でも散発発生が継続している。2013年以降に分離されたPEDウイルス(PEDV)は、病原性に関与するとされるS遺伝子に関して1980年代及び90年代の分離株と遺伝的に明確に異なっている。当社はこれまで80年代のPEDV株を対象に鶏卵抗体を作製し、それを子豚に経口的に投与し、受動免疫を付与することで当ウイルスに対する防御能を高める製品を製造・販売している。
今回新たに2014年岐阜県下でのPED発症豚より鶏卵黄抗体(IgY)を作製し、ウイルス中和試験で既存IgYとの抗ウイルス活性を比較・検討したので報告する。また、子豚におけるIgYの体内動態に基づいて、PED予防を補佐するためのIgY活用を提案する。

2. 豚サーコウイルス3型(PCV3)検出事例報告
岡田久雄(グローバルピッグファーム(株))

近年、アメリカ、韓国、中国、ポーランドなどで豚サーコウイルス3型(PCV3)が検出されている。さらにPCV3は同2型(PCV2)と同じく、感染豚は繁殖障害、PMWS、PDNSなどの症状を示すことが報告されているものの、日本国内の検出事例は少ない。今回、PCV2ワクチン接種農場でPMWSを発症した子豚の血清PCR検査にて、PCV2は検出されない一方、PCV3が検出された症例を複数経験した。また、PCV3には遺伝子相違からPCV2ワクチンは無効と考えられているが、PMWS発症直前のPCV2ワクチン追加接種により、症状が軽減されたと思われる症例もあった。PCV3の病原性については未だ詳細が明らかにされていないが、複数の地域でPCV3の検出や不顕性感染を疑う症例があり、すでに国内でも広域に存在している可能性が示唆された。

3. ローソニア生ワクチンが豚の肉臭に及ぼす影響
石川弘道(㈲サミットベテリナリーサービス)

スカトールやインドールは豚肉の脂肪中に存在し、不快な臭いの原因物質として知られている。肥育後期に急性型のローソニア感染症の問題があった農場で、豚肉の臭気が問題となった。そこで、ワクチンによるローソニア対策を行い、スカトールおよびインドールの濃度について評価を行ったので報告する。

〈お知らせ〉
・合同集会当日はこの抄録をご持参いただきますようお願いいたします。

・研究集会終了後、懇親会 (当日受付) を予定しております。ふるってご参加ください。

懇親会について

日時: 2018年10月12日(金) 17:30~19:30

場所: アンジェリオン オ プラザ 東京
東京都中央区京橋3-7-1 相互館110タワー 11階(合同集会会場のすぐ近くです。)
http://tokyo.anjelion.jp/

会費: 5,500円(会費は当日受付で申し受けます。)

懇親会参加人数把握のため、参加可能な方は、9月28日(金)までに、下記の連絡
先にメールにてご連絡ください。
なお、当日でも人数に余裕があれば、参加をお受けします。

懇親会参加者連絡先: 日本豚病研究会事務局
E-mail:tonbyou@ml.affrc.go.jp

会報72号を発行いたしました。

会報72号をHPに掲載いたしました。
アフリカ豚コレラに関しての論文も掲載しております。
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(非会員又は、会員様でも新規会員未登録の方は最新2年分はダウンロードできません。)
是非ご利用ください。