日本豚病研究会は春の研究集会を下記の要領で開催いたしました。
記
日 時: 平成23年5月27日(金) 13:00~17:00
場 所: 文部科学省研究交流センター
(茨城県つくば市竹園2丁目-20-5)
[交通案内 (研究交流センター)
※敷地内北側に駐車場があります]
tel. 029-851-1331
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1. 定期総会 (13:00~13:30)
2. 第17回藤崎優次郎賞授賞式、受賞記念講演 (13:30~14:00) 座長:津田知幸(動衛研)
出口栄三郎 (鹿児島大学)
3. 演 題
高病原性豚繁殖・呼吸障害症候群(Highly pathogenic PRRS) (14:00~14:30) 座長:矢原芳博(日清丸紅飼料)
高木道浩、井関 博、川嶌健司、芝原友幸、恒光 裕 (動物衛生研究所)
2006年、中国において高熱を主徴とし、どの発育ステージにおいても高致死率を示す豚疾病が発生した。当初は、“Pig high fever disease”と呼ばれ、中国国内で瞬く間に流行して40万頭以上が死亡したと報告された。その後、本疾病の罹患豚よりPRRSウイルスが分離されたことから高病原性PRRSと呼ばれるようになった。2007年以降、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ラオス、タイでも同様の発生が報告されている。我が国では現在まで発生は確認されていないが、侵入防止のため国際的な監視活動が必要である。本講演では、高病原性PRRSの概要、JICAプロジェクトによるベトナムでのPRRS調査および感染実験の成績を紹介する。
備蓄用口蹄疫ワクチン等の選定ー使用の流れについて (14:30~15:00) 座長:深井克彦(動衛研)
石丸雅敏(動物医薬品検査所)
我が国において口蹄疫が発生した場合の防疫措置の一環として農林水産省は口蹄疫不活化ワクチンについては30年余、不活化濃縮抗原(いわゆるワクチンバンク)については平成14年から継続して備蓄している。この備蓄用ワクチン等の選定にあたっては、毎年度「口蹄疫予防液備蓄検討会」を開催し、ワクチンの備蓄状況、国外での発生状況、我が国への畜水産物の輸入状況等を検討の上、購入することとしており、さらに購入するワクチン等については、製造所への立入調査を実施、国内検査を行うことによりその品質確保がなされる仕組みとなっている。本発表ではその概要を説明するとともに、使用に関し2010年4月に発生した宮崎県での対応措置として初めてのワクチン接種決定に至るまでの対応を紹介する。
[休憩 15:00~15:15]
オーエスキー病清浄化について(15:15~16:30) 座長:鈴木 亨(動衛研)
①オーエスキー病の清浄化対策について(15:15~15:45)
山本健久(農水省消費・安全局動物衛生課)
豚の伝染性疾病対策において、オーエスキー病は豚コレラに次いで重要な伝染病であるといえる。豚コレラについては、強力なワクチンを用いて清浄化が進められた結果、平成19年には国際的にも清浄国として認定された。一方、オーエスキー病については、平成3年に「オーエスキー病防疫対策要領」が策定され清浄化対策が開始された。オーエスキー病の清浄化にあたっては、病原体の特性やワクチンの効果など、豚コレラとは異なる点がいくつかあるため、このことを踏まえて対策を進める必要がある。ここでは、現在実施されている清浄化の戦略とこれまでの進捗状況などについて紹介したい。
②茨城県鹿行管内におけるオーエスキー病清浄化対策取組状況(15:45~16:15)
都筑智子、榊原裕二、佐野元彦(茨城県鹿行家畜保健衛生所)
茨城県はオーエスキー病浸潤県であり,特に鹿行家保管内は養豚密集地域であることから、その清浄化対策に長年苦慮し、いわばオーエスキー病と共存してきた実態があった。しかし、管内生産者の意向をきっかけに、平成19年度から、生産者と共にオーエスキー病清浄化対策に取り組み、その後、平成20年のオーエスキー病防疫対策要領の改正に伴い、県内全域新体制下でオーエスキー病清浄化対策を進めてきた。取組みを開始して4年、未だオーエスキー病清浄化達成には至らないものの、この数年でオーエスキー病清浄化の兆しが少し見え始めてきたので、本発表会では現状とその取組状況を紹介する。
③総合討論(16:15~16:30)
第5回APVS(タイ)の報告((16:30~16:50) 座長:宗田 吉広(動衛研)
鈴木 亨(動物衛生研究所)
第5回APVSが3月7日から9日にかけてタイ国パタヤ市で開かれました。日本、中国、韓国、フィリピン、ベトナム、タイなど23カ国の豚産業に関わる産学官有識者(総勢約850人)が一堂に会して、アジアにおける豚産業の更なる発展に向けた研究・開発について活発な議論を行いました。タイ国農林大臣の挨拶に始まり、アジア各国の豚産業を取り巻く現状の報告へと続いて、最終的に3日間でシンポジウム計6題、ワークショップ計2題、口頭発表計73題、ポスター発表計147題という数字が表すように多くの話題・問題が提起され、連日朝早くから夜遅くまで討議をかわす密度・内容ともに充実したプログラムでした。また、学会あるいは参画企業主催のディナーやサテライトシンポジウムも連日にわたって開催され、各国の方々と交流を深めるあるいはタイ国の文化を堪能し、頭を休める機会も用意されていました。そんな大盛況の上に閉会した本学会について報告します。
閉会(16:50~17:00)
研究集会終了後、懇親会(当日受付)を予定しております。ふるってご参加ください。
~懇親会について~
時 間:17:30~19:30
場 所:レストラン エスポワール(つくば国際会議場内); 研究集会会場より徒歩 約10分
〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-20-3 TEL:029-850-3266
http://www.epochal.or.jp/access/index.html
会 費:4,000円