第99回日本豚病研究会・2021年度日本豚病臨床研究会・ 2021年度日本養豚開業獣医師協会 第11回合同集会のお知らせ(確定)

 

事務局:(一社)日本養豚開業獣医師協会(JASV)
TEL:029-875-9090
FAX:029-307-8063
e-mail:pig.jasv@r7.dion.ne.jp

 

日本豚病研究会、日本豚病臨床研究会、日本養豚開業獣医師協会は、第11回合同集会を下記の通り開催することとなりました。今回の合同集会は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、従来の集合形式に加えてオンラインウェビナー形式を併せたハイブリット開催となります。皆さまのご参加をお待ちしております。

日  時: 2021年10月8日(金) 10:00~17:00
開催形式: 集合形式およびオンラインウェビナー形式
参 加 費: 無料

参加方法は下記の2つよりお選びいただけます。

<オンラインでの参加>
別紙を参考に、下記URLより、各自お名前、メールアドレスをご登録ください。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_hlMPIHo7TpKinjcVOo2CAA
登録URLは各団体のホームページにも掲載しておりますので、そちらからご登録ください。

日本豚病研究会会員以外の方で参加をご希望される方は、
入会のご案内よりご入会の上、参加申込をお願い申し上げます。

上記URLからは、合同集会開催時間中も登録が可能です。
登録期限は特にございませんので、奮ってご参加ください。

<会場での参加>
会場参加は定員がございますので、事前申し込みが必要です。

場  所: つくば国際会議場 多目的ホール
定  員: 100名
申込〆切: 9月24日(金) ※ただし、定員になり次第締め切ります
開  場: 9:30

申込方法:
別紙申込様式に必要事項をご記入の上、メールまたはFAXにて(一社)日本養豚開業獣医師協会(JASV)事務局までお申込みください。
なお、会場参加へのお申込みにあたっては所属組織の新型コロナウイルス感染拡大防止に係る規則に則りご検討ください。
また、参加にあたっては
必ず本Webページ末尾の「ご来場者様への新型コロナウイルス感染症対策についてご協力のお願い」をご確認頂き、これらの対策にご協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。ご協力いただけない場合は、当日会場に来られましても入場をお断りすることがございますので、あらかじめご承知おきください。

 


 

日 程

開 会 (10:00~10:05)

統一テーマ「豚熱の発生防止に向けて」(10:05~14:15)

総合司会:石川弘道(㈲サミットベテリナリーサービス)
座長:深井克彦(農研機構 動物衛生研究部門)

1. ワクチンを用いた豚熱の発生防止対策の基本( 10:05~10:35)
北海道大学大学院獣医学研究院 迫田 義博 [JASV]

2.  疫学調査から読み解く今般の豚熱発生状況(10:35~11:05)
農研機構 動物衛生研究部門 山本 健久 [豚病研]

3.  野生イノシシにおける豚熱の現状と対策 (11:05~11:35)
農林水産省 消費・安全局 動物衛生課 永田 知史 [豚病研]

4.  豚熱発生事例64、65、67例目に関するJASVの検証と、これ以上養豚場で豚熱を発生させないための提言(11:35~12:05)
(一社)日本養豚開業獣医師協会 呉 克昌 [JASV]

[昼休み 12:05~13:15]

5.  2020年の沖縄での豚熱発生後の防疫対応と課題~養豚専門獣医師としての取り組み~(13:15~13:45)
㈱沖縄県食肉センター 大城 守 [豚臨研]

6.  豚熱発生農場の再建に向けた取り組み(13:45~14:15)
㈲あかばね動物クリニック 水上 佳大 [豚臨研]

7.  総合討論  (14:15~15:15)

[休憩 15:15~15:30]

一般口演 (15:30~16:55)

座長:小池郁子(エス・エム・シー㈱)

1.  最近の国内におけるPRRSウイルスおよび豚サーコウイルスの遺伝的多様性について(15:30~15:50)
農研機構 動物衛生研究部門 髙木 道浩 [豚病研]

2.  精液パックが原因とみられる極端な受胎率低下事例  (15:50~16:10)
インターファーム㈱東北家畜診療所 丸山 哲也 [豚臨研]

3.  浮腫病ワクチンの効果と抗菌剤使用量低減への期待(16:10~16:30)
㈲あかばね動物クリニック 伊藤 貢 [JASV]

4.  質疑応答(16:30~16:55)

 

閉 会 (16:55~17:00)


講演要旨

○ 統一テーマ「豚熱の発生防止に向けて」

1. ワクチンを用いた豚熱の発生防止対策の基本
    迫田 義博(北海道大学大学院獣医学研究院)

 2018年9月に国内で豚熱(CSF)が発生した。原因であるCSFウイルスはイノシシによって急速に拡大し、2019年秋以降、ブタに対するワクチン接種が進められている。本ワクチンは生ワクチンであり、母豚からの移行抗体を意識して、30日~40日齢の子豚に、また母豚についてはその後2回の追加接種をするプログラムが20世紀に確立している。移行抗体が適度に下がったワクチン接種適期に注射すると、移行抗体によるワクチンブレークが豚群の一部で認められるが、85%近くは免疫され、群としての集団免疫により流行は拡がらないという理論で接種が続けられている。先人の知恵と経験を十分に勉強した上で、CSFウイルスから豚を守るためのワクチン接種の徹底とその評価の継続が必要である。

2.  疫学調査から読み解く今般の豚熱発生状況
  山本 健久(農研機構 動物衛生研究部門)

 国内の豚熱(CSF)の発生については、野生イノシシでの感染拡大に伴い、農場の衛生管理の徹底のみによる感染防止が困難となったことから、農場でのワクチン接種が実施された。イノシシからの感染リスクがある地域では、すでに農場でのワクチン接種が実施されているため、最近のCSFの発生は、ワクチン接種農場での摘発となっている。ワクチン接種の開始以前から、一連のCSF発生農場では、発生県による、疫学関連農場を特定するための調査に加えて、国と発生県の担当者及び研究者が参画して、摘発直後の現地調査を含む疫学調査が実施されている。この疫学調査では、当該農場への侵入要因や当該農場からの感染拡大要因を検討するとともに、ウイルスの侵入要因や農場内の感染拡大要因を検討するため、豚舎の立入調査、飼養豚の健康観察、飼養管理者への聞き取り調査等が行われる。また、当該農場では、殺処分が行われる前に、全ての豚舎の一定数の飼養豚の血液検査や、飼養環境からのウイルス遺伝子の検出のための採材が行われる。これらの調査の結果から、ワクチン接種農場での発生について、どのような特徴が認められているのかを紹介する。また、イノシシでの感染拡大状況や、国内で分離されているCSFウイルスの解析結果についても紹介する。

3. 野生イノシシにおける豚熱の現状と対策
    永田 知史(農林水産省 消費・安全局 動物衛生課)

 2018年、26年ぶりに飼養豚で発生が確認された豚熱(CSF)は、野生イノシシでも発生が確認され、その後、感染確認地域は拡大し、現在、農場での主なCSF発生の原因とみなされている。
野生イノシシでのCSF対策は、(1)サーベイランス:遺伝子検査等により野生イノシシでのウイルス浸潤状況を把握し対策に反映、(2)捕獲の強化:野生イノシシ個体数を減らしてウイルス拡散を抑制、(3)経口ワクチン散布:野生イノシシに免疫を付与して感染時の排出ウイルス量を低下や感染障壁とさせることで、野生イノシシにおける感染を抑制、の3点を中心に実施しており、最近はCSF陽性率が顕著に低下している県もみられる。
経口ワクチンについては、散布から2年半が経過する中、ワクチン摂取個体から出生した個体等でのELISAでの抗体検出力の低下の可能性を考慮しつつ、環境、野外ウイルスの性状等を踏まえた効果を検討し、散布方法等の改善を進める必要がある。

4.   豚熱発生事例64、65、67例目に関するJASVの検証と、これ以上養豚場で豚熱を発生させないための提言
呉 克昌((一社)日本養豚開業獣医師協会

 2021年に豚熱(CSF)ワクチン接種養豚場でCSFが発生した事例のうち、当協会が詳細な情報を知りえた3事例について、さらなる検証を実施したのでその詳細を報告する。また、そこから得られた情報をもとに、これ以上養豚場でCSFを発生させないために提言できることはあるかについても検討を行ったので報告する。

5.  2020年の沖縄での豚熱発生後の防疫対応と課題~養豚専門獣医師としての取り組み~
   大城 守(㈱沖縄県食肉センター)

 2020年1月8日、沖縄県では1986年10月以来33年ぶりに家畜伝染病である豚熱(CSF)の発生が確認された。本県特有の養豚事情を背景に沖縄本島全域への感染拡大という危機的状況が危惧されたが、半径約3km圏内の封じ込めに成功し、3月12日の発生を最後に一応の終息をみている。本病発生に対する防疫においては、日本豚病臨床研究会が企画・開催したセミナー、そして本会メーリングリストにより得られた情報および助言が現場対応に大いに役立った。今回、我々は発生直後から自社農場に対する取り組みと併せて、県域防疫に関して補完的な取り組みを行ったので、その対応と課題について報告する。

6.  豚熱発生農場の再建に向けた取り組み
   水上 佳大(㈲あかばね動物クリニック)

 豚熱(CSF)の発生が認められた農場では防疫措置により、飼養豚全ての殺処分がなされた。当該農場の生産者は養豚業再開のために豚の再導入を計画した。飼養豚がゼロという機会を有効利用し、養豚で問題となっているCSFや感染症の侵入を防ぐための仕組みを、関係各所と連携して作り上げた。また、若い生産者や後継者が将来的に生産を続けていくことができる生産計画を立てた。
CSF発生農場の生産再開に向けた取り組みの始まりから実際に肥育豚を出荷するまでの一連の流れを紹介する。

○一般口演

1.  最近の国内における豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスおよび豚サーコウイルスの遺伝的多様性について
  髙木 道浩(農研機構 動物衛生研究部門)

 豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)や豚サーコウイルス関連疾病(PCVAD)は我が国を含めた世界の養豚産業において経済損害を与える疾病としてあげられる。国内では1990年代からこれらが問題となり、30年近くが経過しているが、ワクチン接種などにより病態や被害は過去と比較して軽減はしているものの、両疾病ともウイルスが主な原因であり、流行ウイルスの遺伝的多様性が認められ、時として甚大な被害をもたらしている。
今回、我が国におけるこれまでのPRRSウイルスおよび豚サーコウイルスの遺伝的多様性について解析した結果を紹介する。

2.  精液パックが原因とみられる極端な受胎率低下事例
   丸山 哲也(インターファーム㈱東北家畜診療所)

 今日の大規模企業養豚においては、人工授精(AI)の効率的利用は事業経営を継続するうえで必要不可欠な技術である。また、近年のAI技術の進歩とともに、関連する器具機材の改良も大きく進んできた。
希釈精液を封入する容器についても、以前はプラスチック樹脂製のボトルタイプ(精液ボトル)が主流であったが、普及が進む精液自動分注機への対応、及び保管時の省スペース化の観点からビニールパックタイプ(精液パック)を採用する農場、AIセンターが増えてきている。
今回、当社特定事業所の複数の農場において、精液パックが原因となって極端な受胎率の低下が発生した事例について紹介する。

3.  浮腫病ワクチンの効果と抗菌剤使用量低減への期待
   伊藤 貢(㈲あかばね動物クリニック)

 浮腫病は、農場に病原体の大腸菌が侵入すると根絶が難しい疾病の1つである。その対応として①飼養環境の改善、②抗菌剤、③酸化亜鉛等の無機亜鉛の投与、④機能性飼料添加剤の投与、⑤飼料形状の変更(マッシュ形状)であった。今回浮腫病のワクチンが発売され、新しい対策としてその効果が期待される。
発売に先立ち浮腫病ワクチンの効果と抗菌剤、無機亜鉛の使用の減少につながるかを検証したので報告する。


第99回日本豚病研究会・2021年度日本豚病臨床研究会・
2021年度日本養豚開業獣医師協会 第11回合同集会
ご来場者様への新型コロナウイルス感染症対策についてご協力のお願い

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
本集会の開催にあたりまして、さまざまご協力を賜り感謝申し上げます。
さて、昨今の新型コロナウイルス感染症のまん延を踏まえ、集会開場にご参集の皆様には下記の通り感染症対策を講じていただいた上で会場へお集まりいただきたく、ご理解、ご協力のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。
敬具

<事前に実施いただきたいこと>
1)コロナウイルスワクチンの接種が完了しているか否かにかかわらず、開催前1週間のご体調、ワクチンの接種状況、実施されている場合はPCR・抗体検査結果について、別途郵送されます体調管理シートにご記入ください。この期間に発熱が確認されました場合は、ご来場をお控えください。また、本紙と、ワクチン接種が完了している場合はそれを証明できるものの写しを当日ご持参の上、ご提出・ご提示ください。
2)開催前1週間は、人の密集する場所へ行くことをお控えください。
3)近親者もしくは職場などでコロナ陽性者が確認された場合は、濃厚接触者とならなかった場合にも、ご来場はお控えいただき、キャンセルを事前にJASV事務局(TEL:029-875-9090、eメール:pig.jasv@r7.dion.ne.jp)までご連絡ください。

<集会当日ご協力いただきたいこと>
1)会場各所へ設置いたします体温計にて検温いただき、37.0℃以上の場合は入場をお断りする場合がございます。係員の指示に従ってください。
2)会場入り口など各所に設置している消毒液で、手指の消毒にご協力お願い致します。
3)マスクを必ず着用いただき、会場では水分摂取時以外は外さないようお願いいたします。

新型コロナウイルス感染症まん延防止のため、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

第11回合同集会幹事
(一社)日本養豚開業獣医師協会事務局