第96回日本豚病研究会研究集会のお知らせ

日本豚病研究会事務局(動物衛生研究部門内)
Tel/Fax: 029-838-7745
e-mail: tonbyou@ml.affrc.go.jp

 日本豚病研究会は春の研究集会を下記要領で開催しますのでご案内致します。なお、新型コロナの状況によりましては中止する可能性があることを予めご了承ください。開催の最終判断は4月20日の週にHPでお知らせするとともに通知をお送りしますので、しばらくご猶予いただきますようお願いいたします。

日 時: 令和 2年5月22日(金) 13:00~17:00
場 所: 文部科学省研究交流センター(〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-20-5)

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/kouryucenter/

参加方法:
事前登録は不要です。当日会場で受付してください。
参加費    会員;無料   非会員;1,500円

日 程
1. 定期総会 (13:00~13:30)
2. 特別講演(13:45~14:55)
座長 下地 善弘[農研機構 動物衛生研究部門]
ペスチウイルスの基礎
北海道大学大学院獣医学研究院微生物学教室  迫田 義博 先生

[休 憩 14:55~15:25]

3.  一般口演(15:25~16:55 各講演30分)
座長 吉田 晶徳[群馬県家畜衛生研究所]
1)野生イノシシのCSF(豚熱)対策
農林水産省消費・安全局動物衛生課       菊池 栄作

座長 宮﨑 綾子[農研機構 動物衛生研究部門]
2)千葉県養豚密集地帯で流行したPEDについての一考察
千葉県中央家畜保健衛生所           三浦 良彰他

座長 芝原 友幸[農研機構 動物衛生研究部門]
3)酸化亜鉛が原因となった豚の亜鉛中毒の大規模発生
愛知県中央家畜保健衛生所          小松 徹也他

4. 閉 会(16:55~17:00)

講演要旨

【特別講演】
ペスチウイルスの基礎
迫田義博(北海道大学大学院獣医学研究院微生物学教室)

フラビウイルス科のペスチウイルス属には、豚熱ウイルス、牛ウイルス性下痢ウイルス、ボーダー病ウイルスなどの家畜の重要感染症病原体だけでなく、現在は反芻野生動物、コウモリ、イルカなどからもウイルスが検出されている。もちろん最重要は豚熱ウイルスである。2018年から国内でも豚熱の発生が続いているが、そのウイルスの病原性が中程度であるため現場も行政も混乱した。しかし、日本豚病研究会報 平成13年8月号「英国の豚コレラから学ぶこと」で演者が書いたように、英語で言うところの「moderate」の病原性のウイルスは20年前から周知の事実であった。我々が怠っていたのは、自分も含め研究者による啓蒙、また現場と行政における当時の情報の継承である。これらを払拭すべく、改めて皆さんとペスチウイルスを勉強したい。

【一般口演】

1)野生イノシシのCSF(豚熱)対策
菊池栄作(農林水産省消費安全局動物衛生課)

2018年、26年ぶりに我が国で発生したCSF(豚熱)の野生イノシシ対策として、(1)捕獲の強化、(2)サーベイランス、(3)経口ワクチン散布等を実施。
(1)CSF陽性の野生イノシシが確認されている県及び隣接県等の22都府県において、養豚場の周辺や、イノシシの移動制限に重要な地域を捕獲重点エリアとして設定して捕獲を強化する等、CSFの感染源となりうる野生イノシシの個体数を減らし、ウイルス拡散を防止。
(2)捕獲又は死亡したイノシシから採材し、遺伝子検査等を実施してウイルスの浸潤状況を把握。
(3)2019年9月以降、イノシシに抗体を付与して環境中のウイルス濃度を下げるため、ウイルスの浸潤状況及び野生イノシシの生息状況等を踏まえて散布。また、全国へのウイルス拡散を防止するため、東日本と西日本に、重点的にワクチンを散布する防疫帯(ワクチンベルト)を構築。

2)千葉県養豚密集地帯で流行したPEDについての一考察
○三浦良彰1、畑中ちひろ1、岩間亮祐2、青木ふき乃2 (1千葉県中央家畜保健衛生所 2千葉県北部家畜保健衛生所)

2019年1月から8月に千葉県養豚密集地帯で豚流行性下痢(PED)が82件発生した。流行の原因を検討するために、当該密集地帯を対象としたアンケート調査、流行期前の繁殖豚及び肥育豚のPEDウイルス(PEDV)抗体保有調査、PEDVの遺伝子解析を実施した。アンケート調査では、中~大規模、または死亡畜集積所等の施設を共同利用する農場で発生が多い傾向がみられた。抗体調査は3年以上発生のない5農場56頭の繁殖豚を検査し、発生後に生まれた個体で高い抗体価がみられた。肥育豚については2017及び2018年に各20農場100頭を検査し、農場陽性率及び個体陽性率は、2017年は90%及び76%、2018年は 85%及び38%であった。遺伝子解析の結果、2014年株と差異は認められなかった。以上のことから今回の流行は、地域の抗体保有豚が減少し、常在していたPEDVにより発生、施設の共同利用等の交差汚染により感染が拡大した、と推察された。

3)酸化亜鉛が原因となった豚の亜鉛中毒の大規模発生
○小松徹也1、杉江建之介1、犬養尚子1、小山田敏文2、澤田浩3、山中典子3、芝原友幸3,4(1愛知県中央家畜保健衛生所、2北里大学、3農研機構動物衛生研究部門、4大阪府立大学)

亜鉛の多量給与は、近年養豚場で大腸菌症対策として用いられている。2017年、常時多量の酸化亜鉛を給与していた一農場で、誤って通常の4倍量である約8,000ppmを長期間投与された結果、農場の9割の豚に軟便や発育不良が発生した。200~240日齢の豚4頭の剖検したところ、全頭に膵臓の萎縮が見られ、病理組織学的検査で、慢性膵炎と診断された。生化学検査により、肝臓や腎臓に高度な亜鉛の蓄積が認められた。以上より、本症例は亜鉛中毒と診断された。畜産物由来薬剤耐性菌の出現抑制の面から、今後亜鉛の使用頻度の増加が見込まれる。次の中毒発生を防ぐため、亜鉛多量給与の危険性と適正利用について報告する。
〈お知らせ〉
・研究集会終了後、懇親会 (当日受付) を予定しております。ふるってご参加ください。

懇親会について
時 間: 17:30~19:30
場 所: レストラン エスポワール(つくば国際会議場内); 研究集会会場より徒歩 約10分
〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-20-3  TEL:029-850-3266

http://www.epochal.or.jp/floor_guide/food/index.html

会 費: 5,000円